「折りたたむことができるフォルダブル(foldable)スマートフォンが来年を目標にロードマップに入っている」。

高東真(コ・ドンジン)サムスン電子無線事業部長(社長)がこのように述べ、事業戦略の一部を公開した。12日にサムスン電子ソウル瑞草(ソチョ)社屋で開かれた新作スマートフォン「ギャラクシーノート8」初公開記念メディアデー行事でだ。
高社長は「フォルダブルフォンはいくつかの関連部品の開発など波及効果が確実にあるだけに来年(の発売)を目標にしている」とし「越えなければいけないハードル(障害物)を確実に越える時に製品を出そうと徹底的に点検している」と明らかにした。

高社長のこうした発言は、昨年8月の米国記者懇談会で「ギャラクシーノート7」を紹介しながら述べた言葉からさらに一歩進んだものだ。当時、高社長は「フォルダブルフォンは我々が必ず実現させたい分野」としながらも「現技術レベルでは消費者は満足できないはずであり、もう少し時間が必要」と話した。
実際にフォルダブルフォンが来年登場する場合、ギャラクシーノートシリーズの次作「ギャラクシーノート9」になる確率が高い。
フォルダブルフォンは液晶を完全に折りたたむことができ、曲がる一般フレキシブル(flexible)製品と比べても一つ上の技術と評価される。折りたためば携帯性が最大化され、開けばタブレットPCやノートブック水準の大画面となるため、従来のスマートフォン以上のコンピューティング機能を使用できる。
関連業界はフォルダブルフォンを「次世代革新武器」と見なしてきた。

最近スマートフォンでフォルダブルフォン製造に有利な有機発光ダイオード(OLED)素材の採択が拡大し、商用化が早まる可能性も高まった。
特にサムスン電子は能動型OLEDのAMOLEDディスプレーを2009年からスマートフォンに搭載するなど、該当分野で最も進んだ技術力と開発ノウハウを持つと分析される。高社長が強調した「ハードル」、例えば折りたたみを繰り返しながら生じる製品の摩耗など耐久性問題や、
回路基板の配列・形態変換のような技術的な問題点などは乗り越えなければいけない課題だ。
業界は高社長がアップルの3つの「iPhone」新製品公開の前日にこうした内容に言及した点に注目している。

アップルは13日午前2時(日本時間)、米国で「iPhone8」「iPhone8 Plus」のほか「iPhoneX」というiPhone誕生10周年記念モデルを出す予定だ。iPhoneXはiPhoneで初めてOLEDパネルを搭載し、画面の枠がほとんどない「ベゼルレス」デザインを採択するなど破格的な新作になると海外メディアは予想している。
その間、アップルはiPhoneシリーズに液晶表示装置(LCD)パネルを使用してきた。アップルが今回iPhoneXにOLEDパネルを採用すると、、サムスン電子はフォルダブルフォンに関する「より具体的な目標」を提示し、技術の差を広げると宣言した雰囲気だ。
アップルは10年前、世界で初めてスマートフォンを出したが、物量の面では世界市場でサムスン電子に劣勢だ。カウンターポイントリサーチによると、アップルは7月の世界スマートフォン市場でシェアが11%と、サムスン電子(20.4%)、中国の華為(ファーウェイ、12%)に次ぐ3位にとどまった。
こうした状況で「ゲームチェンジャー」として期待しながら出す新作がiPhoneXだ。10周年の歴史とプレミアムイメージを強調し、多くのマニア層に支持を訴える戦略だ。
これに対抗してサムスン電子は世界最高の技術力で「最も良い製品を作る」という点を浮き彫りにする戦略を選択した。この日、サムスン電子は数百人の取材陣の前でギャラクシーノート8の大画面のメリット、「クリエイティブSペン」の機能を紹介し、製品の競争力を強調した。舞台にも高社長のほか、映画のロケ地を回るロケーションマネジャー、
高品質写真作業をするフォトグラファーなど一般人が登場し、ギャラクシーノート8でどれほど満足に仕事をしているかを伝えた。
高社長はギャラクシーノート8に対する初期の市場反応に自信も表した。高社長は「海外およそ40カ国で予約注文が始まり、シリーズの歴代最高記録を更新した」とし「国内では7日から5日間の事前予約で、予想を上回る65万台が売れた」と説明した。昨年ギャラクシーノート7が国内事前予約13日間で40万台売れたことを考えると、
ノート8は8日間でのその倍の80万台ほど売れると、高社長は見込んでいる。