4.オオカミに育てられた2人の少女(インド)
このふたりの少女はもっとも有名な野生児だろう。
1920年、インドのミドナプールのオオカミのすみかから発見されたとき、カマラは8歳、アマラは1歳半だったと言われている。
ふたりは姉妹ではなく、捨てられてたまたま同じ時期にオオカミに拾われたようだ。

発見される前、地元の村人の間では「ベンガルのジャングルでオオカミと一緒にいるふたつの幽霊」として恐れられていて、
ジョゼフ・シンというキリスト教伝道師が真相を探るよう依頼された。
シンはオオカミの棲む洞窟で見たものを、人間のような姿形をしているが、恐ろしいものと記録している。
少女たちは四足で走り、とても人間とは思えなかったという。

深夜、やっとのことでふたりを捕えたが、少女たちは体を丸めて一緒に眠り、服を着せてもはぎとってしまい、生肉以外は口にしない。
遠吠えのような声をあげ、手足の腱や関節がもろく、立って歩くことができない。
人間との関係にはまったく興味を示さず、聴覚や視覚、臭覚はかなり鋭かったという。

やがて、アマラは病気で死に、そのせいでカマラもずっと元気がなかった。
カマラはシンのリハビリで立って歩き、いくつか言葉を話せるようになったが、1929年に腎