2019/08/29
「killer tune kills me feat.YonYon」は自分にとって大切な曲であり、とても綺麗な曲、最高にカッコいい仕上がりだと自負しています。
しかし、リリース直後から動画サイトやSNSなどでこの曲に関する人種差別的な発信を目にし、非常に残念に思っています。
自分たちの音楽を聴く人には、人種差別的な指向のある人はいないのではないかとボンヤリ思っていたのです。「お花畑」って言わないで♪

もちろんこの時勢ですから「通りすがりに差別的なことを言う輩がいるだろうな」と覚悟はしていましたが、
実際にこの作品に向けられた差別的な言葉を目にすると本当に不快で腹が立ちます。傷つきもします。

先日、新大久保の楽器屋に行って来ました。作業に疲れて、楽器を眺めて気晴らしをしたかったので。
大久保通りの人出はどうだろう、ガクンと減ってしまっただろうか?と思ったけど、相変わらずの賑わいでした。
女性と若者でワンサカ。ONNA DARAKE。ここではみんな楽しくやっている。

彼らは賢明な人たちです。日韓の間でこじれてしまった歴史認識の問題から生じる同胞としての憤りを、相手国の個人や個別の事象にブツけたりしない。

「彼らは時事的問題に無関心なのでは?」という意見がありそうだが、そんなことはないと思う。

一部のメディアやネット言論が社会の嫌韓的ムードを加速させていることは彼らも承知しているだろう。
あのコらの中にはSNSでK-POP関連の発信をして、おかしな奴に絡まれて不快な思いや怖い思いをしている人もいると思う。
そういう世の中で、自分の好きなものを好きだという気持ちを貫くのは勇気の要ることだ。

(『ONNA DARAKE』をミソジニーの曲と解釈する人がいるようだが、それは違う。
「現代の日本の文化的基盤は女性や若者が支えている。旧態の男性的男性はトンチンカンなことばかり言ってロクなことをしない」
という歌です。「男どもは何してるのか?」って歌ってるじゃん!)

差別的な感情を抱えているゆえに「killer tune、、」を楽しめない人々がいる。惜しい。
作者でありミュージシャンである我々にできるのは、心を込めてこの曲を演奏し、そういう人々を音楽的に魅了することで彼らの差別的感情を拭っていくことより他はないだろう。

堀込高樹