A
孤立主義者とは、他の国との貿易や外交関係を維持することに反対する人々のことであるので、この言葉には意図的に非難めいたニュアンスがこめられていた。
しかし、アメリカ人の絶対多数は、孤立主義者などではなく不干渉主義者であったのだ。
第一次世界大戦に対する幻想から人々は、自分たちが攻撃されないかぎり、第二次世界大戦に参戦することにはっきりと反対したのだった。

政府が好んで使った「妨害者」「ナチ」「ファシスト」「ダチョウ」「まむし」「孤立主義者」といった揶揄中傷は、国民を動かせなかった。
なぜなら、ヨーロッパの争いやパワーポリティクスにまきこまれるべきではないというアメリカ国民の信念は、動かすことがは出来なかったからである」

「東部と南部の干渉主義的、好戦主義的新聞は、攻撃されない限り戦争にまきこまれたくないという
絶対多数の国民の意見については、掲載する機会があっても、一行も載せないようだ。
アメリカ国民は、東部の干渉主義的新聞、コラムニスト、好戦的な解説者、

更に映画産業によって自分たちの意見に反して戦争にひきずりこまれようとしてきたのを実際に見てきた。
このようなためにする宣伝工作は国民心中を寒からしめるものである。
すべてのアメリカ人は、戦争か平和かといった死活的な問題に対し、自由に堂々と自分の意見を述べる権利を有している」

フィッシュはフーバーと同じく、「平和」の側にあり不干渉主義者かつ共産主義の驚異に敢然と立ち向かう愛国者でした。
「戦争」の側にとってフーバーに次いで手強い相手です。
フィッシュは後年ロナルド・レーガン大統領の支持者となっています。
ちなみに彼は1888年生まれ、102歳の長寿を全うして1991年に死去しています。

ルーズベルト大統領はヒトラーを口を極めて罵りますが、ヒトラーと同盟関係にあったスターリンについては罵るようなことが全くないばかりか、
むしろ避けて一切言及しません。