実際、先日のチャンネル桜の討論でも、三橋貴明はいまだに下のように述べていました。

「私ね、別にね、安倍政権、安倍退陣しろとかいう気はないです。 それはないけども、ちょっと大変なことになりますよ。」(50:18)

三橋貴明は、いまのまま安倍政権が続けば「大変なことになる」と述べながら、いまだに「安倍政権の退陣を呼びかけるつもり
はない」と言うのです。

これでは、三橋貴明が、安倍政権の政策をどんなに手厳しく批判してみせたところで、

「TPP絶対反対、安倍政権絶対支持」
「新自由主義絶対反対、安倍政権絶対支持」
「消費税増税絶対反対、安倍政権絶対支持」
「安倍政権を支持しながら、悪い政策を批判していくのであります」

というチャンネル桜の従来の姿勢と何も変わるところはありません。
三橋貴明の言論は、「反TPP、反移民、反新自由主義」というおいしいエサが中に仕掛けられた、ねずみ取りの罠です。
三橋の言論の目的は、人々の不満のガス抜きを行うこと。
二年後の選挙に備えて、反安倍・反新自由主義の人々を惹き付けて、あらかじめがっちりと囲い込んでおくことです。

安倍晋三のような徹底した新自由主義者を、多くの人々が一斉に「新自由主義者ではない」と誤認した。
その集団洗脳にも似た奇妙な現象は、決して偶然に起きたのではなく、意図的に作り出されたものです。

この集団洗脳において、新自由主義を批判してきた三橋貴明のような言論人が、「安倍さんは経済政策を正しく理解している」
「安倍政権は構造改革チックなことは語っていない」と断言して人々の支持を煽った、その事が果たした役割は、きわめて大きなものでした。

今後、安倍政権に怒りを向ける人々の数はますます増えていきます。それと同時に、三橋貴明の言説に共感を抱く人々の数
もこれから増大していくでしょう。彼らはハーメルンの笛吹き男に誘導されたネズミのように、再び三橋貴明によって自民党という
川の中へと誘導され、自滅していきます。