ここ数年散発的にわき起こった上古史論争が本格化してきた。
在野の史学者らに攻撃されていた講壇史学界の学者らは市民講座を開き、一般向け歴史雑誌に在野の歴史家らの批判特集を掲載し反撃に出ている。
これを注視していた在野の史学者らは連合団体を結成して対応することを決めた。
ハンガラム歴史文化研究所・民族文化研究院・国学研究所・韓民族歴史文化学会・世界桓檀学会などは26日「未来へ向かう正しい歴史協議会」の発足式を行う。
これらの団体は国内外の学術交流・人材育成・歴史文化講座開設等の市民運動を展開する方針だ。
両者は国会の北東アジア歴史歪曲対策特別委員会や北東アジア歴史財団などが開いた討論会で何度も衝突したため、
お互いを説得するのは困難と判断、一般の人々に自分らの主張を広めようと方向転換したものだ。
今後さらに激化するであろう上古史論争を生産的にするよう、双方が守るべき事項を挙げたい。
まず強調したいのは個人攻撃や中傷は避けるべきだということだ。相手を「植民史学」「えせ歴史学」と感情的に刺激するのではなく冷静かつ合理的に議論内容に集中すべきだ。
第二に学問に外的要素を持ち込まぬようにすることだ。政治を持ち込み、教育等に無理な影響を与えようという試みは、集団の勢力争いや怒鳴り合いになる危険性が高い。
こうした良識を前提とした上で行われる議論は、相手の主張に対して質問し答えたりしながら、見解の違いを狭め、意見を歩み寄るものでないといけない。
しかし、これまで行われた上古史議論はそれとは程遠い状況だ。
最大の争点である楽浪郡の位置について「楽浪郡など漢四郡は遼西地域にあった」という在野の歴史家らの主張に対し、講壇史学界の主流学者らは
「中国の歴史書に見られる遼西の楽浪郡は平壌地域にあった楽浪郡が313年に高句麗によって滅ぼされた後、一部の楽浪遺民が移ってできた『楽浪僑郡』だ」という説を打ち出している。
この説明についてどう考えるのか、在野の史学者は見解を明らかにしていない。韓国の上古史問題は、全世界の学者らが注目している国際的な問題だ。
そのため、「未来へ向かう正しい歴史協議会」が「国内外の学術交流」「グローバル・リーダーシップ確保」を設立趣旨に掲げているのは励みになる。
国内だけでなく、世界的な基準に照らしても遜色のない上古史論争が繰り広げられるよう期待したい。