前にここで出ていた香山の本が出たな。

ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論 太田出版
https://www.amazon.co.jp/dp/4778316649/

内容紹介
見てはいけないものはあるのか?
語ってはいけないものはあるのか? 

バブルに沸く日本で「表現の自由」を拡張したサブカルチャー、
その象徴でもある漫画家・根本敬の世界に魅せられた精神科医が、サブカルとともに歩んできた自らの歴史を振り返りながら、90年代「悪趣味」ブームと平成末期の「ヘイト」の関連、表現することの未来と自由の可能性を解き明かす。 

私は、31歳のとき書いた根本敬論で、「見てはいけない」と禁止されているものを見るのは「恋」と同じなのではないか、と書いた。
「根本のマンガに登場する素材のうち、性倒錯者、糞尿マニア、守銭奴、乱暴者、貧乏な人などは、暗い世界とはいってもあくまで日常の了解がぎりぎり通用する」としながら、
「妄想や幻覚、奇形、屍体などが自在に活動しだす時点」では、ついに「見てはいけない」の線が越えられている。
私が、それを見たいというのは「恋」の視線なのだ、だから弾圧されることなどあってはならない、と書いた。
あのとき「恋」という言葉で説明してしまった根本の漫画を、平成も終わるいま、もう一度、社会の中で考えてみたい。
それがこの本の目的である。
(本文より)