生きた細胞を印刷して「コンピューティング可能な紙」を製造することに成功

「生きた細胞を使ったバイオコンピューター」というと、実験室内に設置された水槽や大がかりな設備の中で培養された繊細な細胞をイメージする人も少なくないはず。
 スペインのバルセロナにあるポンペウ・ファブラ大学の研究チームが新たに発表した「紙に細胞をプリントするデバイス」は、生きた細胞と栄養素を紙の中に注入することで製造され、実験室外の環境でも安定して動作する上にコストも低いので、正確な病気の診断や環境モニタリングが簡単に行えるようになると期待されています。

(中略)

 技術の発達により、スマートフォンやタブレットなど高度で多機能なデバイスが身近になりましたが、病気の兆候を示すバイオマーカーで気軽に自分の健康状態を調べる技術の普及には至っていません。
 バイオマーカーを検出するデバイスとしては、生きた細胞を用いたバイオコンピューターが開発されていますが、従来のバイオコンピューターには「実験室内で整えられた特定の条件と専門的な知識が必要」という課題がありました。

 スペインのバルセロナにあるポンペウ・ファブラ大学が今回発表したデバイスは、さまざまな種類の生きた細胞と栄養分をインク代わりに紙に印刷するバイオコンピューターです。
 紙の中に封入された細胞は、紙の中で成長してある種の電子回路と同じ構造を形成し、バイオマーカーを検出して信号を発することが可能です。
 また、紙に印刷されるため取り回しが容易で、コストも非常に低く抑えられているとのことです。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

Gigazine 2021年03月22日 12時35分
https://gigazine.net/news/20210322-biological-device-paper/