アオスタ渓谷(Aosta Valley)自然災害管理当局のバレリオ・セゴール(Valerio Segor)氏は記者会見で、プランパンシュー(Planpincieux)氷河から推計50万立方メートルの氷塊がせり出していると説明。大きさの比較としてミラノ大聖堂(ドゥオモ、Duomo)や「サッカーグラウンド全面が高さ80メートルの氷で覆われた状態」を引き合いに出し、「どのような崩落の仕方であっても相当の被害が出かねない」と警鐘を鳴らした。
専門家らはこのところの気温上昇の影響で、この巨大な氷塊が崩落して斜面を滑り落ち、フランス国境に近い風光明媚(めいび)なクールマイヨール東部の民家を巻き込む恐れがあると指摘している。
セゴール氏によると、氷塊は標高約2600〜2800メートルの位置にあり、氷河本体から徐々に剥がれ落ちつつある。気温が上下を繰り返すことで、不安定な状態にある氷塊が熱衝撃を受け、いつ崩壊してもおかしくないという。また、氷河の下を流れる水が「滑り台」と化す恐れもあるという。
クールマイヨールの当局は5日夜に警報を発令。住民15人を含む75人が6日、避難を開始した。町の下方に位置し登山客に人気の渓谷バルフェレット(Val Ferret)への道は閉鎖された。(c)AFP
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