「DNAワクチン」と呼ばれる新しいタイプのワクチンの効果を複数のサルを使って確かめたところ、全体の3分の1で接種後、新型コロナウイルスの遺伝子が検出されなかったとする研究成果をアメリカのハーバード大学などのグループがまとめました。

「DNAワクチン」は、遺伝子を体に入れることによって、体内で特定のたんぱく質を合成させウイルスの働きを抑える抗体を作らせる新しいタイプのワクチンで、ハーバード大学の医療センターなどのグループは研究用に6種類を開発し、それぞれをアカゲザルに2回接種して効果を確かめました。

その結果、いずれのワクチンもサルの血液の中の抗体の量が、新型コロナウイルスに感染して回復したヒトと同じ程度か、それ以上の量まで上昇したということです。

また、ワクチンを接種したあと、鼻や気管からウイルスを含んだ液体を注入して感染するか確認したところ、25匹のうち、5種類のワクチンを接種した合わせて8匹からはウイルスの遺伝子が検出されなかったということです。

研究グループは「新しいタイプのワクチンで、ヒトでも感染を予防できる可能性があることを示す結果だ」としています。

「DNAワクチン」は、動物では一部の病気で承認されていますが、ヒトではまだ実用化されておらず、アメリカでは新型コロナウイルスのワクチンとして臨床試験が進められています。

この研究成果は20日付のアメリカの科学雑誌「サイエンス」に掲載されています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200521/K10012438801_2005211201_2005211227_01_02.jpg

NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200521/k10012438801000.html