0001しじみ ◆fbtBqopam767 しじみ ★
2020/05/14(木) 13:41:58.17ID:CAP_USER→天の川銀河内で見つかったものの中では最も遠い距離にある
→「重力マイクロレンズ法」により発見に成功
天の川銀河に散らばる太陽系外惑星はごまんとありますが、見つけるのはそう簡単ではありません。
現在見つかっている約4000個の内、ほとんどは地球から数千光年以内の距離にあります。また、その中で地球と同じ岩石惑星に該当するものは、全体の3分の1以下。
つまり、遠い場所にある地球型惑星の発見は、とても難易度の高いことなのです。
しかし今回、ニュージーランド・カンタベリー大学により、地球から2万5000光年離れた場所で、地球と同じ岩石惑星の発見に成功しました。
これまで天の川銀河で発見された地球型惑星の中では最も遠い距離にあるとのことです。
一体、どんな惑星なのでしょうか。
■どうやって見つけた?
太陽系外惑星の発見は、現時点で2つの方法が主流になっています。
1つは「トランジット法」で、系外惑星が主星の前を横切るときに生じる光の変化を利用する方法。もう1つは「ドップラー分光法」で、系外惑星の重力による主星の動きの変化を利用する方法です。
既知の系外惑星は、だいたいこのどちらかで見つかっています。
https://nazology.net/wp-content/uploads/2020/05/Exoplanet_Discovery_Methods_Bar.png
しかし、今回の系外惑星は、そのどちらでもない「重力マイクロレンズ法」により発見されました。
この方法は、アインシュタインの一般相対性理論から導かれた「重力レンズ効果」を利用します。
例えば、ここに2つの星があります。
地球の観測者から見ると、縦方向にほぼぴったり重なって、一方が他方の背後に隠れている状態です。
このとき、背後の光源星の放つ光が、手前の星の重力により曲げられます。手前の星がレンズのように働くのです(重力レンズ効果)。
https://nazology.net/wp-content/uploads/2020/05/discovery_img3.gif
ここで、もしレンズの働きをする星のまわりに惑星があるなら、光源星の光は、この惑星の重力も受けます。すると、惑星がない場合では左右対称だった光の曲がり方が、いびつな形に変化し始めます。
こうした光の変化パターンを調べることで、系外惑星が見つかるのです。
https://nazology.net/wp-content/uploads/2020/05/discovery_img4.gif
まさに今回の惑星は、この仕方で発見されました。
■かなり小型だった
新たに見つかった系外惑星は、「OGLE-2018-BLG-0677L b」と命名されています。
地球からの正確な距離は、2万4722.65光年です。
太陽系から天の川銀河の中心部までは、約2万6100光年あるので、この惑星は限りなく中心部の膨らみであるバルジに近いか、もしくはバルジに含まれていると予想されます。
https://nazology.net/wp-content/uploads/2020/05/milkyway1.jpg
地球の3.96倍の質量を持ち、主成分を岩石や金属とすることから「スーパーアース(地球型惑星)」に分類されます。
しかし、これはかなり小さいサイズらしく、重力マイクロレンズ法で見つかった中では最小とのことです。
惑星が公転する主星も太陽質量の0.12倍とかなり小さく、それが低質量星なのか褐色矮星なのかも調べられません。
惑星と主星の距離は、0.63〜0.72AU(天文単位)で、太陽と金星の距離に相当します。(1AUは地球と太陽との距離で、約1億5000万キロメートル)
主星の小ささゆえに公転スピードもゆっくりで、この惑星の1年は約617日でした。
ただ、生命の居住が不可能と断定されたわけではありません。惑星がハビタブルであるかどうかは、主星との距離や光の強さに左右されますが、まだそこまでは分かっていないようです。
今後の研究次第では、この惑星に生命が見つかる可能性も十分に残されています。
研究の詳細は、5月7日付けで「The Astronomical Journal」に掲載されました。
https://nazology.net/archives/59820