先進国の「ごみ捨て場」にされるのはうんざり、アジアが受け取り拒否
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2019/8/6 13:37
AFPBB News

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(写真)インドネシア・スラバヤの港で、オーストラリアから違法に輸入されたごみが詰まったコンテナに入っていた新聞を見せる税関職員(2019年7月9日撮影)。(c)Juni Kriswanto / AFP
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【8月6日 AFP】アジア各国は、先進国のごみ捨て場にされることにうんざりし始めており、最近になり、海外から送られてきた廃棄物入りコンテナ貨物を返送する動きが広がっている。リサイクル資源の最大輸入国だった中国が昨年、世界の使用済みプラスチックの輸入禁止に踏み切ったことが背景にある。

 各国の現状を紹介する。

■中国

 中国は2018年1月1日、国内の環境と大気保護のため、海外からのプラスチックごみおよびほとんどのリサイクル資源の輸入を禁止した。同国は長年、世界各国からプラスチックごみを受け入れ、その多くを製造業者が使用できる高品質の材料に加工してきた。

 NGO「焼却代替のための世界連合(Global Alliance for Incinerator Alternatives、GAIA)」によると、中国の輸入禁止を受け先進国は、「低品質で価値のない」またはリサイクル不可能なプラスチックごみの新たな受け入れ先を探さざるを得なくなった。この結果、膨大なごみが東南アジアに輸出されることになったという。

■マレーシア

 マレーシアは5月下旬、汚染プラスチックごみ450トンを、輸出元であるオーストラリア、バングラデシュ、カナダ、中国、日本、サウジアラビア、米国に返送すると発表した。だが、リサイクル業者向けの均質できれいなプラスチックごみの輸入は禁止していない。

■フィリピン

 フィリピンは6月下旬、コンテナ69個に詰め込まれ6年間放置されていたごみをカナダに返送した。事の発端は、カナダ企業が再生可能プラスチックと偽って表示したごみをフィリピンに輸出した2013年と14年までさかのぼる。

 コンテナの実際の中身は紙、プラスチック、電子機器、家庭ごみなどで、生ごみやおむつも交ざっていた。ごみの一部はフィリピン国内で廃棄処分されたが、大部分は地元の港湾に何年も放置されたままだった。

■カンボジア

 カンボジアは7月、輸送用コンテナ内で発見された違法プラスチックごみ1600トンを米国とカナダに返送すると発表した。同国南西部シアヌークビル(Sihanoukville)に保管されていたコンテナのうち70個は米国から、13個はカナダから送られたものだった。

■スリランカ

 スリランカの税関当局は7月、コロンボ港にほぼ2年間放置されていたコンテナ111個を英国に返送するよう命じた。コンテナには、遺体処理に使われた有害廃棄物や医療廃棄物の他、人の臓器なども入っていたが、金属資源と偽って不法に英国から輸入されていた。強烈な悪臭を放っていたため発覚したという。

 2017年以降スリランカに輸入された疑わしいコンテナ241個のうち、130個はコロンボ港付近の自由貿易地域に運ばれており、海水および大気を汚染している。

■インドネシア

 インドネシアは7月下旬、違法に輸入されたごみのコンテナ7個をバタム(Batam)島からフランスと香港に返送した。コンテナには家庭ごみ、プラスチックごみ、危険物などが含まれていた。

 当局はさらに同港にあるごみが入ったコンテナ42個を米国、オーストラリア、ドイツに返送する許可を待っているところだ。

 インドネシアは同月、210トンを超えるごみをオーストラリアに返送すると発表していた。このコンテナ8個はスラバヤ(Surabaya)で押収され、古紙が入っているとされていたが、プラスチックボトルやプラスチック容器、使用済みおむつ、電子機器や空き缶など家庭ごみが含まれていたという。

インドネシアは6月、米国にごみのコンテナ5個を返送している。(c)AFP

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