0001しじみ ★
2019/04/04(木) 15:38:22.68ID:CAP_USERここ数十年、海氷面積は急速に縮小している。米国の国立氷雪データセンターによれば、2019年に北極海を覆った海氷面積は、40年前に衛星データを収集し始めてから、7番目の小ささだった。(参考記事:「北極海の海氷面積、観測史上2番目の小ささに」)
「今年は、最低記録の更新を避けることができました。しかし、問題は縮小する傾向であり、北極の海氷は年間を通して減少しています」と、カナダ、アルバータ大学でホッキョクグマを研究するアンドリュー・デロシェール氏は言う。「今、私たちは春が来るとどうなるのかをじっと見守っている状態です」
春の気温が低ければ、氷は消えずに残る。そうすれば、ホッキョクグマは容易に好物のアザラシにありつける。だが、春の気温が高ければ、獲物を狩る時間は限られてしまう。「この時期にどれだけ脂肪を蓄えられるかが、ホッキョクグマの生死を分けるのです」とデロシェール氏は話す。
太ったクマほど、食料の乏しい夏を乗り切れる可能性が高い。何しろ、食料がまったくなくなることもあるのだから。また、太ったメスほど、健康な子どもを産み育てるためのエネルギーを持っている。デロシェール氏は、「氷が解けてできた水たまりをのぞき込んで、ちょっと太りすぎたかな、と思うホッキョクグマはいません」と冗談をはさむ。
ホッキョクグマにとって、海氷は狩りや子育てに欠かせない場所だ。それは昔からわかっていたが、最近の研究によって、氷自体が貴重な栄養素を蓄えていることもわかってきた。
2018年に学術誌「PLOS ONE」に掲載された論文によると、少なくともカナダ北部にあるホッキョクグマの3つの生息地では、海氷で育つ藻類に食料の70%以上が関係しているという。
■海氷が蓄える貴重な栄養素
海氷と聞けば、広大な白い氷の塊を想像するかもしれない。確かに、上から見ればそうだ。しかし、下から見た海氷は、さまざまな種の藻類に覆われ、緑がかった茶色に見える。
では、ホッキョクグマが藻類で覆われた海氷をボリボリと食べるのかと言えば、そうではない。直接海氷を食べることはないが、カナダのバフィン湾と、ハドソン湾の西部と南部に住むホッキョクグマを調査した研究結果から、彼らの食料となる生物の大半は、つきつめれば海氷の藻類を食料源としていることがわかっている。
ホッキョクグマはアザラシをたくさん食べる。場所によっては、シロイルカを食べることもある。アザラシもシロイルカも魚やそのほかの生物を食べる。そういった生物は、動物プランクトンをエサにしている。海氷についた藻類を食べるのはこの動物プランクトンだ。ホッキョクグマの好物の一つであるワモンアザラシも、結局のところ、藻類から始まる食物連鎖の中にいる。
続きはソースで
https://cdn-natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/040200202/ph_thumb.jpg
ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/040200202/