(CNN) ミツバチに訓練を施せば、足し算と引き算を学習できるとの研究結果が発表された。今回の発見が、脳の大きさとその処理能力の関係についてのよりよい理解につながる可能性がある。

オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT大学)の研究者が科学誌サイエンス・アドバンシーズで研究結果を発表した。報告書の執筆者によれば、今回の発見が示唆するのは、数字に関するより深い理解は、これまで考えられていたよりも、非ヒト動物にとって把握しやすいものである可能性があるということだという。

多くの動物は、必要不可欠な作業のための基本的な水準の数字について理解している。しかし、これまで、足し算と引き算の能力を示した動物は、チンパンジーやヨウム、クモなど一部に過ぎない。今回の研究で、ここにミツバチが加わった。

RMITによれば、今回の研究が将来の人工知能の開発に役立つ可能性もある。

今回の研究では、14匹のミツバチを対象に、青色が足し算、黄色が引き算という「足し算と引き算を象徴」する色を認識するよう訓練を施した。


黄色の場合、ミツバチは、ひとつ数字を引かなければならないので、右側が「正解」となる/Scarlett R. Howard et al.
ミツバチはY字型の迷路に送り込まれる。入り口には特定の数の青もしくは黄のサンプルが示される。ミツバチは入り口を抜けると、2つの選択肢が与えられる。最初に見た要素が青なら、ミツバチは、最初よりも1つ多いサンプルを示す判定部屋に行く必要がある。つまり足し算だ。黄だった場合は、1つ少ないサンプルを示す判定部屋を選ぶ必要がある。こちらは引き算となる。

数は1から5の範囲で示された。

100回の訓練では、ミツバチは正解だと砂糖水が与えられ、間違うとキニーネ溶液が与えられる。訓練後、ミツバチの正解率は63〜72%に達した。これは偶然ではないといえるだろう。

https://www.cnn.co.jp/storage/2019/02/11/65029aa53d0b9c6b5f487815dcafab87/002-honeybees-math-study-diagram.jpg
https://www.cnn.co.jp/fringe/35132552.html