神奈川県の三浦半島などで食害や生態系の被害をもたらせているという特定外来生物「クリハラリス」について、日本哺乳類学会は28日、同県に対して県全域で対策を講じるよう要望した。横浜市内にも拡大しているとされ、同学会は早期の対応を促している。

同学会によると、神奈川県では、他県より早くからクリハラリスの生態が確認されていた。江の島にあった施設から逃げ出すなどして、1950年代には鎌倉市で野生化が確認された。やがて横須賀、三浦半島全域に拡大し、最近では横浜市北部でも分布報告があるという。鳥の卵・昆虫を捕食するほか、習性が似るニホンリスの減少も懸念される。

 農作物などへの被害を防ぐため、各自治体は2017年度、県内で約4600頭を捕獲した。同学会は、生態系への影響を防止するための捕獲、県全域の計画的な対策の必要性を訴える。要望書では、詳細な生息分布調査の実施、「防除計画」の策定などを求め、学会としてのサポートも約束している。今回の要望に対し、県は対策を検討するとしている。

■クリハラリス
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毎日新聞
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