海洋研究開発機構は高知大学などと共同で、南太平洋の海底にレアメタル(希少金属)の粒を含む泥が広く存在していることを突き止めた。海底で鉱物資源が作られるメカニズムの解明につながる。

日本や欧米、中国などが参加する国際深海科学掘削計画(IODP)の一環で2010年に南太平洋の中央部を掘削した試料を、研究チームが解析した。約4000メートル〜6000メートルの海底の泥に、直径4マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル程度のマンガンの粒が含まれていた。

生命科学の研究で細胞の選別に使う技術などを使い、細かい粒を集めて成分や構造を調べた。電子顕微鏡で調べると粒は球状ではなく、糸くず状の結晶が絡まり合った形をしていた。また、コバルトやニッケルなど他のレアメタルもわずかに含まれていた。ただ濃度が低く、商業的な採掘には向かないとみられる。

掘削した海底からは直径数センチ以上のマンガンの固まりである「マンガン団塊」も見つかっている。今回の成果を通じてこうした鉱物資源の生成メカニズムが分かれば、将来の効率的な資源探査や採掘に結びつく可能性がある。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190206/K10011806281_1902061938_1902061941_01_02.jpg

関連ニュース
南太平洋の海底で大量の金属資源発見 海洋研究開発機構など | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190206/k10011806281000.html

日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40996930X00C19A2000000/