宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは7日、火星の希薄な大気でも飛行できる「火星ドローン」の実現に欠かせない、軽量で高効率のモーターの開発に成功したと発表した。

 現状で一般的なモーターに供給される電力の約半分は熱として失われており、高効率化は宇宙用だけでなく、地上用でも重要な課題だ。

 JAXAと新明和工業(兵庫県宝塚市)、大分大、日本文理大(大分市)、茨城大、静岡大などの研究チームは、モーター内の部品形状の工夫で損失の多くを占める「渦電流」を低減するなどし、重さ25グラムで出力50ワット、エネルギー効率80%以上の小型モーターを実現した。

 JAXAは将来の探査に向け、火星の大気圏内を飛行するドローンを検討中。地球の1%に満たない希薄な大気で揚力を得るには、軽量かつ高速回転が可能で、熱を出さないモーターが必須だ。JAXAの久保田孝教授は「実現可能性が見えてきた。地上のドローンでも航続距離を伸ばすことができ、地上でも宇宙でも応用できる」と話している。 

https://contents.trafficnews.jp/image/000/025/961/large_20190207at80S_p.jpg
https://trafficnews.jp/post/83335