柴山昌彦文部科学相は1日、大学など高等教育の中長期的な改革案「柴山イニシアティブ」を公表した。教育面では人工知能(AI)時代を見据え、データサイエンス教育などを全学部で必修にすることを検討。研究力の向上や私立大のガバナンス強化策も盛った。

改革案では社会の変化に応じた教育を掲げた。AIなどの先端技術が幅広く活用され始めたことを受け、文系を含む全学部で数理やデータサイエンスを必修にすることを目指す。取りたい学位に応じて学部学科の枠を超えて授業を受ける「学位プログラム」を導入し、柔軟な学びを実現する。

ガバナンスの強化では、私立学校の運営を改善する。学校法人の監査役である監事の機能を充実させ、理事の違法行為を差し止めるために裁判所に仮処分を申し立てることを可能にする。文科省は開会中の通常国会に私立学校法の改正案を提出する方針だ。

研究力向上に向けては若手研究者への重点的な支援、研究者の流動性、国際性を高めるとした。博士課程への進学支援にも力を入れる。

日本経済新聞
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