低濃度の放射能汚染による人体被害は、
集団を何万人何十万人と多数集めて統計を比較することで
始めて有意であるかどうかが分かるというような性格の
ものであり、サンプルが少ないと帰無仮説の5%検定では
否定されるようなものなのだ。しかも影響がで終わる
までに数十年程度かかるのであります。

放射能や放射線の影響は確率事象なのです。
そのため直接の因果関係を示すことは極めて困難か不可能で、
あります。例え話として、一種の宝くじを考えて下さい。
10万本のくじの中に10本の当たりくじがあります。
その当たりくじはひいた人が死ぬ不幸のくじだとします。
そのくじを10万人にひかせれば10人が死にます。
でもくじをひいても死んでいない人が9万9千9百9十人も
いるのです。もちろんそのようなくじを誰にもひかせなければ
その10人は死んでいないのです。くじをひかせた側は、
無実を主張します。死んだ人間の1万倍の人間が何もなかった
のだといって。

放射能、放射線による害は、それの影響が回り回って
普通の病気である、がんや心臓血管系の故障、免疫の異常、
細菌感染などの形であらわれるものであり、直接放射線で
死んだと言える形は数シーベルトのような高線量被曝
などの場合だけですから、因果関係は立証が難しいのです。
でもくじ引きとおなじように確率的には影響を被り
疾病の増加を招きます。
そのため「疑わしきは罰せず」という刑法の原則を
そのまま適用すれば、飲み水に放射性物質を溶かし込んで
飲ませても、個別の被害者については確率事象なので
因果関係は立証困難です。なぜなら同じことをして
(同じ水を飲んでいて)何にもなっていない人が
何倍も居るからわずかに疑わしいとしか見なされない
からです。だから今の法体系だと放射性物質は
垂れ流し放題で汚染させて利益を得た者が得になります。
放射性物質の処理法とし水道水に混ぜて供給すれば、
広く薄く害がでるだけなので、厄介な物質の処分が出来て
儲かるが、罪に問われないというような可能性があります。