京都大は、火星への移住を想定した実習を実施すると発表した。米アリゾナ大の研究施設で8月に予定しており、両大学の学生5人ずつが火星上で建設が計画される宇宙基地での活動を模擬体験する。

 アリゾナ大には、甲子園球場のグラウンドとほぼ同じ1万3000平方メートルの面積を持つ閉鎖型の研究施設がある。内部には、熱帯雨林や海、砂漠などが人工的に再現され、人間の生活を想定した農場もある。

 実習は、両大学が昨年2月に協定を結んだことで実現。この研究施設を火星上に建設する宇宙基地に見立て、8月5〜10日の日程で、施設内の海や森林などの生態系や、砂漠の砂の飛散状況などを調査する。実習中は携帯電話の使用を禁止し、外部と隔離された環境で過ごす。京大から参加する学生5人は、学部や学年、性別を問わず4月に学内公募し、書類審査や面接で選ぶ。

 日本人宇宙飛行士として初めて船外活動を行った土井隆雄・京大特定教授も実習に参加し、学生を指導する。土井さんは「将来の有人火星探査を担う世代に、宇宙という未知のものに挑戦する楽しさや感動を学んでほしい」と話している。

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読売新聞
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