本研究の結果、放射線によって飛び出した電子が、十分に冷える前の「熱い」状態で、DNA・RNAを構成するリボチミジン(tRNAなどに修飾塩基として含まれる)にくっつくこと、およびこの結果生じたイオン(ラジカルイオン)は、この「熱さ」によって励起(れいき)された状態となり、直接結合を切断する作用があることを明らかにしました。
本研究成果は、放射線によるがん細胞中のDNA破壊を効果的に行い、正常な細胞内の放射線によるDNA損傷を防ぎ、修復するための新しい化学反応制御法の開発に役立つことが期待されます。
本研究成果は、2019年1月9日に、国際学術誌「Nature Communications」のオンライン版に公開されました。
図:放射線によって弾き飛ばされた電子が、十分に減速する前にリボチミジンにくっついて結合を切断する様子
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