北野天満宮(京都市上京区)は6日、室町時代に応仁の乱で大部分が途絶えた「北野祭礼」を記録した15世紀前半の文書「御祭礼之事書(おんさいれいのことがき)」など新史料が見つかったと発表した。

 北野祭礼は天皇の使者が派遣される「勅祭」で、行列などがあったとされる。現在は一部の神事のみが伝わり、謎が多い。

 御祭礼之事書は京都市内の古書店で昨年12月、京都文化博物館の西山剛学芸員が発見。祭礼に伴う帳簿で、表紙に応仁の乱以前の「応永11(1404)年より」と年号があり、社務を担った「目代家」という名前があった。祭礼を巡る「御幣役」「伝馬役」といった役職や、周辺地域から米を徴収したことも記載。西山学芸員は「史実をひもとく上で重要」と指摘している。

 この他、昨年に同市内の古美術商の元で確認された「北野社頭図屏風(きたのしゃとうずびょうぶ)」(縦81センチ、横237センチ)は慶長年間(1596〜1615年)の作とみられる。同天満宮の境内を描いた最古級の図びょうぶで、社殿や境内の松林などが描かれている。

 新史料は来年2月23日〜4月14日、同博物館である特別展で初公開される予定。

■現存する北野社図屏風の中で最古級とされ、初公開された「北野社頭図屏風」(一部)
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毎日新聞
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