もんじゅは原子炉の熱を取り出す冷却材にナトリウムを使用。核燃料は原子炉内に370体、原子炉の横の貯蔵槽に160体あり、ナトリウムにつかっている。機構は当初予定より約1か月遅れた8月30日から、貯蔵槽の燃料を水の入った燃料池に移す作業を開始。さらに、機器トラブルなどが原因で作業できない日も増えていることから、「年内100体」という最初の目標達成は困難となった。
この日、敦賀市役所を訪れた文部科学省の明野吉成もんじゅ・ふげん廃止措置対策監は、渕上隆信市長に経緯を説明。現在は日中に限定している作業について、来年度以降は夜間も続けて行うことで、1日1体以上取り出す新方針を示した。交代で作業に当たるチームも3班から5班に増やすといい、「2022年度に完了する全体計画に変更はない」と理解を求めた。
渕上市長は「事前の検討や見通しが甘かったのではないか。安全、着実に実施するよう引き続き指導してほしい」とくぎを刺した。
明野対策監は県庁でも説明。清水英男・安全環境部長は「安全最優先が重要で、スケジュールありきで進めるべきではない」としつつも、「決めた工程に従って着実に作業を進めることが、県民の信頼につながる」と求めた。近く、放射性物質を含まない2次系ナトリウムの抜き取り作業も始まることから、新たな作業の安全確保も要請した。
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読売新聞
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