(CNN) 首にある頸動脈(けいどうみゃく)の血流をわずか5分間、超音波検査で調べれば、10年後に認知症を発症するリスクが予測できるとの研究結果が発表された。

英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームが米心臓協会(AHA)の年次会合で報告した。

チームは2002年、58〜74歳の約3200人を対象に頸動脈の超音波検査を実施。さらに16年までの14年間、認知機能の変化を観察した。

その結果、当初の検査で頸動脈の血流が多かったり、不規則だったりした度合いが最も高いグループは、認知機能の低下する確率が1.5倍に増えることが分かった。

頸動脈を通って脳へ流れ込む血液の勢いで、脳の血管網や細胞が傷付くためとみられる。

頸動脈の血流の乱れは、心臓近くの血管が劣化し、血流を調整するクッションの役割が果たせなくなることによって起きるという。劣化の原因としては、食事などの生活習慣が考えられる。

チームの研究者は「リスクを事前に把握することができれば、生活習慣を変えようとする意識が高まるはず」と指摘。「動脈に良いことは脳にも良い」「生活習慣は機能低下のペースに大きく影響する」と強調した。

今後さらに大規模な研究でこの説が裏付けられれば、定期健診にも簡単に取り入れることができると、研究者らは指摘している。

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