日本海側の冬場の味覚、ズワイガニの資源量が来年以降に減少傾向となり、3年後には現在の約半分に落ち込むとの予測を日本海区水産研究所(新潟市)の研究チームが8日までにまとめた。原因は特定できていないが、生後3、4年まで生き残る個体が減っている可能性があるという。6日に今年の漁が解禁されたばかりの沿岸各地にとって厳しい内容となった。

漁が解禁され、漁船に引き上げられたズワイガニ(6日、兵庫県豊岡市沖)=共同

研究チームの上田祐司・資源生態グループ長(水産科学)によると、雌が産む卵の数には大きな変化がなく、何らかの理由で稚ガニが生き残れなくなっている。「少なくとも今後5年間は厳しい状態が続くのではないか。可能なら詳細な調査を実施したい」と話す。

チームは今年5、6月、水産庁の委託で能登半島沖から隠岐諸島の西部沖まで計137地点でズワイガニの資源量を調査した。

国の基準で漁獲可能とされる甲羅の幅9センチ以上の雄と、産卵可能な雌の数は例年並みだったが、未成熟な稚ガニの数は昨年の6割程度に減少していた。調査を始めた1999年以降で最低レベルだったという。

稚ガニの減少は3年ほど前から継続。調査海域でのズワイガニの資源量は今年の2万2千トンに対し、今後の推計は2019年に1万9千トン、20年に1万5千トン、21年に1万2千トンほどになるとしている。

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日本経済新聞
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