現金自動出入機(ATM)で、利用者が振り込め詐欺などの被害者や犯人とみられる人を、カメラに映った画像を元にAI(人工知能)が判断し、警告を出す技術が開発された。日立オムロンターミナルソリューションズ(愛知県尾張旭市)によると、ATM内蔵のカメラで画像を認識するのは国内初。巧妙化する特殊詐欺被害の歯止めに期待がかかる。

 開発にあたり着目したのは、ATMを使う特殊詐欺の被害者や犯人に共通する外見だ。被害者は、犯人側から携帯電話を通して誘導され、ATMを操作させられることが多い。被害金を引き出す「出し子」役の犯人は、マスクやサングラスで顔を隠し、防犯カメラに映るのを避ける傾向がある。

 同社の新技術では、ATMのカメラが携帯電話を使っていたり、マスク、サングラスを着けたりしている人の姿を認識すると、警告が出せる。事前に、こうした人の画像を大量にAIに読み込ませ、ディープラーニング(深層学習)という手法で特徴を学習させることで、高い精度で判別できるという。

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朝日新聞デジタル
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