原田義昭環境相は16日の記者会見で、水質浄化などに対する科学的根拠がないと指摘される「有用微生物群」(EM菌)について、「これまで、効果があるとの科学的な検証を承知していない」と述べ、作用に否定的な考えを示した。

 EM菌を巡り、平井卓也・科学技術担当相が3日と10日の記者会見で、超党派の「有用微生物利活用推進議員連盟」の幹事長であることを明らかにした上で、議連の解散も検討する考えを示した。

 7月には伊藤忠彦副環境相(当時)が運河にEM菌を投げ入れたとフェイスブックなどに投稿。研究者らの批判を受けて一部の投稿を削除した。

 EM菌は1990年代以降、当時の琉球大教授が自然農法や水質浄化などへの有用性を提唱。東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の除染でも効果があるとの主張も出ている。だが、丸川珠代環境相(当時)は2016年、国会で「水質浄化や除染に効果があるとの科学的検証データを承知していない」と答弁した。

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毎日新聞
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