モンゴル・ゴビ砂漠で古生物調査を進める岡山理科大(岡山市北区理大町)とモンゴル科学アカデミー古生物学地質学研究所の共同調査隊は10日、約7千万年前の白亜紀最末期の地層から、二足歩行の恐竜では世界最大級となる幅85〜115センチの足跡化石が見つかったと発表した。

 植物食恐竜「鳥脚類」のサウロロフスとみられ、推定体長は最大18メートル程度。大型の二足歩行恐竜として有名なティラノサウルス(同12メートル程度)を大きく上回る。

 発見された幅85センチ以上の足跡化石は十数点に上り、複数の個体が残したものとみられる。最大は幅が115センチある足跡1点で、左右連続した歩行跡なども確認。足跡のくぼみにたまった砂が固化し、立体的な“足形”として残った。

 サウロロフスはモンゴルで出土する代表的な大型恐竜で、体長は最大15メートル程度とみられてきた。「二足歩行では体のバランスや体重を支える限界があり、これほど大きな個体がいたとは驚き」と調査隊日本側リーダーの石垣忍・同大教授は話した。

 今回の調査では他に、モンゴル出土の化石では最大となる、四足歩行の大型植物食恐竜ティタノサウルス類(竜脚類)の骨格化石も発見。ほぼ完全な両脚や骨盤、脊椎骨で、最も大きい大腿(だいたい)骨は長さ155センチあった。全身骨格の3〜4割に当たると推測され、竜脚類の骨格化石がつながった状態でまとまって出てくるのは珍しいという。

 二つの成果に、石垣教授は「恐竜時代の最末期まで生き残った大型恐竜の体の構造や生態などの解明につなげていきたい」としている。

 調査は7月下旬〜9月下旬に2回に分けて実施。足跡化石、骨格化石ともにゴビ砂漠西部のブギンツァフ一帯で発掘された。

■モンゴル・ゴビ砂漠で見つかった世界最大級の二足歩行恐竜の足跡化石
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山陽新聞デジタル|さんデジ
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