総務省情報通信政策研究所は、AIのネットワーク化に関する報告書を公表した。
有識者会議が取りまとめたもので、医療診断などで想定される便益や課題を提示。AIの誤診で患者の症状が悪化した場合、
ブラックボックス化されていて判断の経緯などを説明できないと、
患者やその家族らの理解が得られない恐れがあることを挙げている。

この報告書は、「AIネットワーク社会推進会議」(議長=須藤修・東大大学院情報学環教授)が取りまとめたもので、
さまざまな分野でAIが活用されることを想定し、
AIのネットワーク化が社会・経済にもたらす影響の評価を行った上で課題を整理した。

 医療診断については、AIによる画像診断で病気の早期発見や見落としの改善につながるほか、
医師の負担が軽減されることを指摘。遠隔診断で専門医のいない地域でも適切な診断を受けられるようになり、
「医師不足・偏在などの問題の解決に貢献できるようになる」と予測している。

 その一方で、想定される課題も挙げている。AIの誤診によって適切な治療が行われず、患者の症状が悪化した場合、
「なぜ誤診したのか、AIがどのような判断をしたのか説明できないと、
患者や家族などの理解が得られない恐れがある」としている。

 また、AIがハッキングの被害に遭い、患者の医療データが流出するケースも想定。
ネットワークを介して他のAIシステムとデータが共有されたり、
さまざまなデータが統合されたりすることで個人が特定され、重大なプライバシーの侵害につながる恐れがあるとしている。

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