iPS細胞から、実用に使える品質の血小板をつくることに成功したと、京都大などのチームが13日、発表する。
チームは2020年の製品化をめざしている。
京都大iPS細胞研究所の江藤浩之教授は「(今回の成果で)研究開発での準備は終わった」としている。

 血小板は血を固める働きがあり、出血した際や、貧血の患者への輸血に使われる。
現在は献血でまかなわれているが、少子高齢化の影響もあり、将来は不足が懸念されている。

 京都大やベンチャー企業はiPS細胞から血小板の大量作製を計画。
これまでの研究でも血小板の作製に成功していたが、献血で得られるものに比べると、品質が低いのが課題だった。

 チームは、体内で血小板がつくられる際の血液の流れを解析。
その結果、一定の流れではない「乱流」が生じていることがわかった。
iPS細胞からつくった血小板のもととなる細胞を液体中で培養する際、同様の乱流を再現し、
加えてみると、献血と同等の品質の血小板ができたという。

 研究成果は13日、米科学誌セル電子版に掲載される。

朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL766F5LL76PLBJ00L.html