DNAを検査して先祖のルーツを分析してくれるDNA検査企業に「ペットの犬のDNA」を分析させたところ、
「ルーツの20%はカナダの先住民である」という検査結果が出てしまったと報じられています。

Heredity or hoax? | CBC News
https://newsinteractives.cbc.ca/longform/dna-ancestry-test

After dog DNA debacle, Indigenous researcher says ancestry testing is 'stupid science' | CBC News
http://www.cbc.ca/news/canada/edmonton/dna-testing-indigenous-ancestry-1.4705797

トロントに本拠を置くDNA検査会社Accu-Metricsは人々が採取したDNAを分析し、
先祖のルーツなどを調べるというサービスを提供しています。
「先住民族の利益を支援するために設立された」と主張するカナダ先住民族連合(CAPC)という団体に所属するメンバーは、
Accu-MetricsにDNA検査を依頼して「先祖はカナダの先住民族である」という分析結果を受け取り、
それに対してCAPCはCAPC-IDという先住民族証明書を発行していました。
CAPCはカナダ先住民族議会やカナダ政府の公認を受けているわけではなく、
所属メンバーが先住民族であるという証拠は、Accu-Metricsの分析結果に依存していたとのこと。

カナダにおいて先住民族証明書を持っている人々は、
税特権や特別な医療・教育プログラムを享受できるという優遇策がとられています。
CAPCとAccu-Metricsの関係性に疑念を持っていたルイス・コート氏は、
Accu-Metricsから3セットのDNA採取キットを購入し、1つにはコート氏自身の口内から採取したDNAを、
もう1つにはコート氏の父親から採取したDNAを入れてラベリングしました。
最後の1つにはガールフレンドのペットである「スヌーピー」と名付けられたチワワのDNAを採取し、
コート氏の息子の名前でラベルを貼り、Accu-Metricsに送付したそうです。

1カ月後、コート氏のもとにメールで「コート氏はカナダ先住民族をルーツに持っており、
息子(本当はスヌーピー)も同様にカナダの先住民族をルーツに持っている」という検査結果がAccu-Metricsから送付されました。
なお、スヌーピーのルーツにおける先住民族の割合は20%であり、
12%がアベナキ族、8%がモホーク族だったとのこと。
以下の写真が、祖先にカナダの先住民族を持つといわれたチワワのスヌーピー。

コート氏は今回の検査結果をCBCニュースに提供し、
Accu-MetricsはCAPCと共に詐欺を働いていると非難しています。
また、カナダのアルバータ大学で遺伝化学に関する研究を行っているキム・トールベアー教授は、
「DNA検査企業は『自分のルーツを知りたい』という人々の欲求を利用して、倫理に反する商売を行っている」として、
DNA検査によって自身のルーツを求めようとすること自体に警鐘を鳴らしました。

Accu-Metricsは今回のスキャンダルに対して、
「こちらには送られてきたDNAがヒトのDNAなのか、それとも犬のDNAなのかを判断する基準がない」と説明。
また、外的な汚染によって綿棒にヒト由来のDNAが付着した可能性も大きいと釈明しています。

https://i.gzn.jp/img/2018/06/15/dogs-dna-ancestry-testing-stupid/00_m.jpg

GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180615-dogs-dna-ancestry-testing-stupid/