東京大宇宙線研究所は10日、岐阜県飛騨市のニュートリノ観測施設「スーパーカミオカンデ」で
水をためたタンクを12年ぶりに開け、報道陣に公開した。
タンクの内側では、素粒子ニュートリノを捉える「光電子増倍管」約1万3000個が青色の光を放ち、
幻想的な世界が広がっていた。
 同研究所は、宇宙の初期から起きてきた超新星爆発によって蓄積された
「超新星背景ニュートリノ」の観測を目指すため、6月から9月末までタンクの改修工事を進めている。

 タンクは直径39メートル、高さ41メートル。純度が極めて高い水5万トンを蓄えるが、
1日約1トンが漏れているため止水補強を行う。他に水の循環速度を上げるため配管を改良したり、
不具合のある数百本の光電子増倍管を交換したりする。
 作業は9月末まで行われ、10月初旬から超純水を供給。12月中旬に観測を再開する予定。
 スーパーカミオカンデ代表の中畑雅行教授(58)は「改良するとニュートリノが特別な光り方をして、
信号ノイズと識別しやすくなる。世界で誰も見つけていない新しいニュートリノを見たい」と期待した。

■画像
改修工事のため公開されたスーパーカミオカンデで、水槽の上から見た底部に並ぶ光電子増倍管
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改修工事のため報道陣に公開されたスーパーカミオカンデで、上部から見た水槽内部(左下
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時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061000430&;g=eco