0001しじみ ★
2018/04/29(日) 20:55:02.03ID:CAP_USER島々の多くを占める海抜の低い環礁は、すでに大きな被害を受けている。
4月25日付けの学術誌「Science Advances」に発表された研究によって、気候変動が今世紀の半ばごろまでに、
この国の水源に致命的な打撃を及ぼすことが明らかになった。島の周囲の海水面が上昇すると、
大きい波が打ち寄せたときに、これまでより島の奥深くまで海水が到達するようになる。
こうした波が連続して打ち寄せれば、島の淡水源は機能しなくなってしまう。
2016年に米国国防総省が想定した海面上昇シナリオでも、海水面が40センチ上昇すると、
マーシャル諸島の環礁の1つ(と、おそらくほかの数千の島々)が居住不可能になると予想している。
40センチの海面上昇は、今世紀半ばにも現実になる可能性がある。
「環礁を復旧したり、海面上昇の影響を緩和したり、あるいは、移住の計画を立てたりする際には、
政府や管理責任者がこれらの予想を考慮してくれるよう願っています。そうすれば、より少ない費用で効果的に、
人々の生命を救えるでしょう」と米国地質調査所の科学者で、論文の筆頭著者のカート・ストーラッツィ氏は言う。
外部の研究者は、最悪の場合はこの論文のシナリオの通りだろうと言い、モデル化の手法の巧みさと、
警告の重さを高く評価した。
「この研究から、海岸地域の洪水に対して、波が重要な役割を果たしていることがわかります」。
都市で頻発する洪水に及ぼしている気候変動の影響を研究する気象学者のクリスティーナ・ダール氏はそう語る。
「海面上昇しか考えないなら、今回調べられた島々は今世紀末まで居住できます。
けれども、波の作用も考慮すると、居住可能な期間は大幅に短縮されるのです」
■晴れの日に洪水が
人類が気候変動を食い止めようと四苦八苦している一方で、海面は上昇を続け、
温まった海水がグリーンランドと南極大陸の氷を解かしている。
けれども近年、特定の地域が完全に海中に没するよりはるか前に、
海からの洪水によって居住不可能になってしまうことがわかってきた。
「海面上昇に関する研究のほとんどは、将来、通常の満潮の際に海水面がどのくらいの高さになるかを予想し、
それを土地の標高と比較するだけです。そうした研究は大切ですが、
海面上昇によって増幅される特大の高潮や波などのプロセスがモデル化されていないという欠点があります」と
ダール氏は言う。
マーシャル諸島や海抜1、2メートル程度しかないその他の島国にとって、海からの洪水は大問題だ。
近年、マーシャル諸島は激しい嵐や高潮に脅かされ、家屋が破壊されたり墓地が海に流されたりする被害が頻発している。
そのうえ、最近の干ばつにより水源にも影響が出ている。
現時点でも気候変動の影響がこれだけあるのだから、将来はどうなってしまうのだろうか?
マーシャル諸島に軍事基地を持つ米国国防総省からの指示を受け、ストーラッツィ氏のチームは、
海からの洪水がロイ= ナムル島の環礁に及ぼす影響をモデル化した。
ストーラッツィ氏は、2100年までに海水面が50センチ、1メートル、2メートル上昇するという3つのシナリオについて、
地球の気候、海からの洪水の振る舞い、海水の浸入に対する地下の帯水層(水が貯まった地層)の反応を調べた。
2014年3月、科学者チームに自分たちの研究を確認する機会が与えられた。
ロイ=ナムル島の環礁の一部に巨大な波が襲いかかり、内陸の奥深くまで浸入し、海岸の道路を水浸しにしたのだ。
「よく晴れた美しい日に洪水が起きたことは衝撃的で、大きな懸念を生じさせました」とストーラッツィ氏は言う。
「こうした洪水のほとんどは、何百キロも何千キロも離れた場所の嵐が引き起こした波が原因となって、
現地が晴天の日に発生するのです」
続きはソースで
ナショナルジオグラフィック日本版サイト
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/042700195/