あらゆる通信の分野で暗号の技術は不可欠なものとなっていますが、
桁違いの計算能力がある量子コンピューターが完成すれば、現在の暗号は解かれてしまうと指摘されています。
これに対して、NTTは、
量子コンピューターでも解けない次世代の暗号の実現に向けた新たな技術を開発しました。

暗号の技術をめぐっては、コンピューターの性能の向上とともにどんどん複雑化していますが、
汎用性(はんようせい)の高い量子コンピューターが完成すると現在の暗号は解かれてしまうおそれがあり、
次世代の暗号の開発が急がれています。

特に心配されているのが、現在の暗号が抱える弱点です。
この弱点は、暗号化された情報をわざと一部書き換えたうえで暗号を解く操作を大量に繰り返すと、
得られた結果の規則性から、どのように暗号化したかが類推できるおそれがあるというものです。

これに対して、NTTは、
こうした操作が行われた場合に意味の無い数字を示す新たなプログラムを開発しました。
こうすることで、たとえ量子コンピューターでも規則性を読み取ることは難しいということです。

しかも、このプログラムは現在のパソコンや携帯端末でも動かすことができ、
次世代の暗号の実用化に一歩近づいたとしています。

汎用性の高い量子コンピューターの実用化は10年後か20年後と予想されていて、
NTTセキュアプラットフォーム研究所の草川恵太さんは
「世界各国の研究チームが開発を進める暗号に組み込んでもらえるよう提案したい」と話しています。

NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180426/k10011418321000.html