(CNN) カナダ西部ブリティッシュコロンビア州のカルバート島で、
海岸線の堆積物の中から1万3000年前の足跡29個が見つかったとして、
ビクトリア大学などの研究チームが28日の米科学誌プロスワンに発表した。
足跡を残したのは大人2人と子ども1人だったと推定している。

研究者の間では、およそ1万1700年前まで続いた最後の氷河期の間に、
人類はアジアから陸地を伝って北米に到達したという説が有力だ。
その地が現在のカナダ西部から南部だったとされる。

研究チームはカルバート島で植物の化石や沈殿物の痕跡を探していたが、足跡の発見は予想外だったという。

しかし最初に足跡が1つ見つかったことから、調査の方向性を変え、
さらに発掘を進めた結果、全部で29の足跡が発掘された。

29の足跡はサイズも一定で、3人の人物が裸足で歩いて残したものだったと推定され、
土踏まずとつま先、かかとの形がはっきりと残っていた。一部は引きずったような痕もあり、
海岸の泥で足を滑らせた様子をうかがわせる。

足跡は一列に並んでいるのではなく、1つの場所に集まっていた。中には横に並んだ足跡もあり、
1人が足を少し開き、内陸に向かって立っていた姿を想像させる。

「3つの違うサイズの足跡からは、この場所を使っていた核家族か少人数グループのイメージが浮かぶ」。
研究チームを率いるビクトリア大学のダンカン・マクラレン准教授はそう解説。

「ほとんどの足跡は内陸を向いていた。
ここは人々が船を降りて乾燥した陸地へ向かう前の場所だった可能性がある」と述べている。

人類の足跡は、アフリカ大陸で見つかった360万年前のものが最古だが、
化石になった足跡が見つかること自体、極めて珍しい。

カナダのカルバート島で1万3000年前の足跡29個が見つかった
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/03/29/e1cdd9420ebd2bb3474dca15808961ad/Duncan%20Mclaren%20University%20of%20Vic.JPG
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/03/29/de3d45b35630d3ad8be121fb8a21eac1/star-carr-ancient-finds-2.jpg

CNN
https://www.cnn.co.jp/fringe/35116887.html