【ナイロビAFP=時事】世界に1頭しか残っていなかった雄のキタシロサイがケニア中部オルペジェタ自然保護区で死んだ。保護区が20日、発表した。地球上でキタシロサイは同じ保護区に雌2頭が残るのみとなり、事実上の絶滅が確定した。研究者らは、保存された遺伝子を利用した体外受精に最後の望みをつないでいる。

保護区によると、死んだキタシロサイ「スーダン」は45歳だった。「加齢に伴いあちこち衰えていた。最後は立てなくなり、安楽死しか選択肢は残っていなかった」という。

キタシロサイはかつて、ウガンダや中央アフリカ、スーダン、チャドなどアフリカ大陸中部に広く生息した。しかし、アジアで漢方薬、イエメンで短剣のつかに利用するため、1970〜80年代に角を目当てにした乱獲が続いた。

90年代後半からのコンゴ(旧ザイール)内戦がとどめとなり、2008年までに野生種は絶滅したと考えられている。チェコの動物園に残っていた雄雌2頭ずつをケニアに移し、最後の繁殖を試みていたが、雄1頭は14年に死んでいた。(2018/03/20-18:51)

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