年は「ロボット面接官」が選考会場に登場するかもしれない。
ロボット面接官は人工知能(AI)を搭載した採用支援ツールで、人間の代わりに学生を評価してくれる。
AIは採用現場をどう変えるのか。
「質問を始めます。60秒以内に回答してください」。ヒト型ロボットが受験者にそう話しかけた。
まるでSF映画の一場面のようだが、現実だ。
■108問の耐久戦
ロボットはソフトバンクグループの「ペッパー」を活用。ペッパーと、
学生の仕事への適性などを見極めるAIシステム「SHaiN(シャイン)」を組み合わせて使う。
シャインは採用支援のタレントアンドアセスメント(東京・港)が開発。
昨年10月に、まずスマートフォン(スマホ)のアプリとしてサービスを開始し、
これまでに大手食品メーカーなど12社が導入している。2月からはペッパーに組み込んで、
文字通りロボット面接官として使えるようになった。
システムは米IBMのAI「ワトソン」など、複数のAIを組み合わせて構築している。
アップルの音声認識技術「Siri」をインターフェースに活用することで、日本語の音声でやり取りが可能だ。
AIは学生に何を聞き、どう評価するのか。
今回シャインを取材した女性記者は、現在35歳。就活からすでに10年以上経過しているが、
当時を思い出しながら、AI面接に挑戦した。
「ゼミや部活、アルバイトなどで目標を決めて取り組んだことはありますか」。そんな質問が来た。
これは面接での定番の質問「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)だな、と思いつつ「はい」と答えると、
「どのような目標を立てたか」「目標を実行するためにどんな取り組みをしたか」と矢継ぎ早に突っ込まれた。
答えるとさらに「実行するための取り組みをもう少し教えて下さい」などと質問される。
げんなりしたが、カメラとマイクで記録されているので露骨に嫌な顔もできない。
面接が終わったのは1時間半後。質問数は108問にも及んだ。正直いって疲れた。
シャインのAIは、満足できる回答が得られなかった場合に、重ねて質問する。
質問数は受験者ごとに異なり、少ない人は50〜60問程度。
平均180〜200問なので、108問でも少ない方かもしれない。面接が2時間に及ぶ人もいるという。
この徹底した質問攻めは、AI面接官ならではだろう。
シャインの評価ポイントは合計11。そのうち7つが、質問への回答を分析して得られる評価で、
「バイタリティー」「柔軟性」など。学生の外見を観察して得られる「表現力」などもある。
分析の基になるのが、肝となる実際の就活の面接データだ。現在約3000人分。
学生の回答をAIが面接データと照合し、そこから各評価ポイントについて採点をする。
タレントアンドアセスメントは14年に金融業界出身の山崎俊明社長(44)が設立。
山崎社長は採用支援を手掛ける中で、
「採用担当者は短期間で変わり、ノウハウが根付かない」ことが気になっていた。
そのとき、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長がペッパーをプレゼンする姿をニュースで見て、
「これだ!」とひらめいたという。
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画像:AIシステム「SHaiN」を使えば、ペッパーがロボット面接官になる
https://www.nikkei.com/content/pic/20180302/96958A9F889DE0E5E7EAE4EAE4E2E2E3E2E1E0E2E3EA8AE3E3E2E2E2-DSXMZO2758682001032018X11001-PN1-2.jpg
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日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27586860R00C18A3X11000/