2018年02月23日
カエルにのみ込まれても高温ガスを出して脱出するミイデラゴミムシ(杉浦真治・神戸大准教授提供)
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20180223-OYO1T50021.html


 尻から悪臭を伴うガスを出すことから「ヘッピリムシ」のあだ名を持つ昆虫ミイデラゴミムシは、ヒキガエルにのみ込まれても体内で2時間近く生き延び、
嘔吐(おうと)させて脱出することがあると、神戸大の杉浦真治准教授(昆虫学)らの研究チームが発表した。論文が英科学誌に掲載された。

 ミイデラゴミムシは草地などにすむ甲虫の仲間で、体長11〜18ミリ・メートル。外敵に襲われるとセ氏100度以上の高温ガスを噴出する。
このガスは体内に貯蔵された過酸化水素とヒドロキノンという物質が化学反応を起こして発生。刺激臭があり、皮膚に触れると変色するという。

 杉浦准教授らがニホンヒキガエルとナガレヒキガエル計37匹に、このゴミムシを食べさせたところ16匹(43%)が12〜107分後に吐き出した。
一方、事前にピンセットでゴミムシの脚などを刺激し、ガスを十分に放出させてから食べさせると吐き出したのは2匹だけだった。吐き出されたゴミムシは強酸性の消化液を浴びても平気だったという。

 このゴミムシがカエルに食べられそうになるとガスを出して逃げることは知られていたが、のみ込まれた後、吐き出されることを確かめたのは初めてという。
杉浦准教授は「鬼に食べられた後、針の刀で腹の中を攻撃する一寸法師のような虫だ」と話している。

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