人工知能(AI)を活用し、内視鏡画像から胃がんを高い精度で検出するシステムを開発したと、
公益財団法人がん研究会(東京都)などが発表した。

 熟練した医師に匹敵するレベルといい、早期発見や正確な診断につなげたい考え。

 同会が運営するがん研有明病院などで診断した1万2000枚以上の胃がん画像のデータを、
コンピューターが自ら規則性などを探し出す先端技術「ディープ・ラーニング(深層学習)」で
AIに学ばせ、病変を見つけられるようにした。

 学習用とは別の画像2296枚を使って能力を検証したところ、
77病変のうち71病変を検出(検出率92・2%)。
迅速な対応が必要な6ミリ以上の病変に絞ると、71病変のうち70病変が見つかった(同98・6%)。
解析は47秒で済み、1画像あたり0・02秒だった。

 胃がんの内視鏡検診は医師の技量の差が出やすく、
検査後に別の医師がダブルチェックすることが学会の指針で義務付けられている。
このシステムで医師の負担軽減も期待される。

 同病院上部消化管内科の平沢俊明医師は「胃がんは早期発見で根治できる。
見逃さないことが大切」と話している。

yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180129-OYTET50000/