次のステップは3月のフル出力テスト。

人間が長期間にわたって火星に滞在することになった場合、
自活していくためには電力など何らかのパワーが必要になってきます。
きたる日のために、
NASAとアメリカのエネルギー省は小型の原子力発電システム「Kilopower」を開発しており、
先日その初期テストに成功したようなんです。

アメリカのネバダ州で行なわれた初期テストについて、ロイターからの抜粋です。

『1カ月に及ぶテストは、未来の宇宙飛行士や宇宙空間、
火星、月など太陽系でのロボット探査にエネルギーを提供することを見越して、
11月にエネルギー省のネバダ国家安全保障施設(NNSS)で開始されました』

宇宙飛行士たちが月面を歩いたのは、1960年代から70年代にかけてのほんの数回であって、
連続3日間より長くなることはありませんでした。
アンディ・ウィアーの小説が原作の映画『オデッセイ』で描かれたような
火星に向けた長いのミッションでは、火星ならではの厳寒な夜や砂嵐、
さらに遠く乏しくなった太陽光にも耐えられる電力システムが求められます。

Kilopower計画はそういった課題を、
ロイターいわく「ペーパータオルの芯ほどの大きさの」ウラン235を燃料として用いた
コンパクトな原子炉で打開しようというもの。
NASAによれば、原子炉1基で「平均的な2世帯分の消費電力を、
少なくとも10年間まかなうにはじゅうぶんな量」である10kWの電力を提供できるとのこと。
さらに、4基で居留地全体をまかなえると続けています。

トランプ大統領はふたたび月に宇宙飛行士を派遣するつもりのようですが、
NASAのパワーとエネルギー貯蔵の主任技術者Lee Mason氏はリリースの中で、
小型の原子炉は月を含む過酷な環境でも使えるかもしれないと語っていました。

Kilopowerのフル出力テストについて現時点でわかっているのは3月の中旬から下旬にかけて行なわれることのみで、
正確な日程は発表されていません。Mason氏は米Gizmodoへのメールで、
テストの成功は「我々の解析的な予測に合う状況でフル出力する稼働になるだろう」と語っています。
「飛行システムにむけてこの計画を続けるなら、さらなるハードウェアの開発とテストが必要になる」とのことですよ。

関連ソース画像
https://assets.media-platform.com/gizmodo/dist/images/2018/01/24/kilopower_nasa-w960.jpg

画像:原子炉と火星の居住地のイメージ図
https://assets.media-platform.com/gizmodo/dist/images/2018/01/23/180123kilopower2.jpg

Image: NASA
Source: NASA(1, 2) via Reuters, Space.com, Wikipedia

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文]

GIZMODO
https://www.gizmodo.jp/2018/01/kilopower-nasa-succeeded.html