手軽で効果的にやせられる方法として人気がある炭水化物抜きダイエット。
しかし、妊娠中の女性が極端に糖質制限をすると、おなかの赤ちゃんの健康に、
将来にわたって悪影響を及ぼす可能性があるという。
海外の研究でわかってきた糖質制限のリスクについて、
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の福岡秀興・ 招聘しょうへい 研究員が語った。

〈「小さな赤ちゃん」が多い日本〉

 日本では「小さく産んで大きく育てる」ということが流行のようになり、1980年代以降、
2500グラム未満で生まれる低出生体重児の割合が増え続けました。
経済協力開発機構(OECD)のデータでは、90年代までに欧米各国の平均を上回りました。
今は9%を超え、突出して高くなっています。

背景に、妊娠前・妊娠中の母親の摂取カロリー、多くの栄養素の摂取量が少な過ぎる傾向があります。


 妊娠糖尿病などの合併症を防ぐために、摂取カロリーのコントロールが必要な場合はありますが、
極端な制限は母子の健康に悪影響を及ぼします。

とくに、妊娠中に炭水化物の摂取が少ない場合、
胎児の将来の健康に問題が起きやすいという研究結果が、海外から報告されています。

〈妊娠初期の炭水化物不足で子の体脂肪量が多くなる〉

妊婦は気をつけて! 炭水化物抜きで子どもが肥満、動脈硬化、高血圧に


 英国のサウサンプトンで母子に対して行われた研究では、妊娠初期の炭水化物摂取量と、
生まれた子どもが6歳、9歳のときの体脂肪量の関係が調べられました。
その結果、母親の炭水化物の1日の摂取量が少なかったケースほど、
子どもの体脂肪量が多くなる傾向がはっきりしたのです。

つまり、妊娠初期に糖質を制限し過ぎると、子どもの肥満につながる可能性が指摘されました。

 同じく英国のエディンバラでは、1967年からの2年間、妊娠中毒症を防ぐため、
妊婦に穀類を食べることを制限し、たんぱく質を多く摂取する指導が行われました。
その結果、出生児に高血圧が多発したことが分かっています。

続きはソースで

図:低出生体重頻度の推移(5年毎:1951-2010)
https://image.yomidr.yomiuri.co.jp/wp-content/uploads/2017/12/01g-re2-1.jpg

図:妊娠中のエネルギー摂取と9歳時体重から見た小児頸動脈の内膜中膜厚
http://独眼竜.xyz/wp-content/uploads/2018/01/20180101-00010000-yomidr-002-1-view-320x243.jpg

ヨミドクター(読売新聞)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20171219-OYTET50009/