ニホンオオカミはすでに絶滅し日本から野生のオオカミは姿を消しました。
これに対してヨーロッパではまだ野生のオオカミは生息していますが、やはり絶滅が危惧される状態です。
15世紀以来、個体数を減らし続けて絶滅の危機にさらされているオオカミが、
ドイツで数を増やしたことが報告されています。

Germany′s wolf population on the rise, new data shows | DW Environment | DW | 23.11.2017
http://www.dw.com/en/germanys-wolf-population-on-the-rise-new-data-shows/a-41503395

西ヨーロッパ・中央ヨーロッパでは、野生のオオカミは人間に駆逐され、19世紀には姿を消しました。
しかし、絶滅が危惧される野生のオオカミは保護対象として、殺すことは今では違法となっている国があり、
ドイツもその一つです。

ドイツの連邦保健機関(BfN)とオオカミ保護連盟(DBBW)は、
2017年にドイツ全土で60のオオカミの群れが確認されたと発表しました。
これは2016年に比べて13増えており、ドイツ全土では150〜160頭のオオカミが生息していると推計されています。

ドイツでは19世紀末までに野生のオオカミは駆除され姿を消しました。
しかし、2000年以降、近隣のポーランドから野生のオオカミがドイツに移り住んできており、
ドイツ東部のブランデンブルク州やザクセン州で野生のオオカミが確認されています。
ただし、オオカミはドイツ東部で確認されるのみで、それよりも西へと生息域は拡大していないそうです。

ドイツでは家畜が襲われることを恐れるあまり農家らはオオカミを銃で撃つ許可を求めていますが、
ヨーロッパにおけるオオカミの個体数の減少を予防する観点から、ドイツ国内でオオカミを許可なく殺すことは禁止されています。
しかし、ドイツ・ポーランドの国境沿いにあるルザティア地方では活動家が抗議活動を起こすなど、
オオカミの取り扱いを巡っては意見の対立があるそうです。

動物保護団体は「オオカミが羊を襲うからといって、自動的に人間に危険とは言えません。
電気柵や番犬によって家畜を保護することは可能です」と主張。
また、オオカミに家畜が襲われた農家には、補償を受けられる制度も整備されてます。
BfNのベッセン・ジェッセル代表は「オオカミがドイツに戻ってきて以降、
人間に対する被害は一つも報告されていません」と述べ、オオカミの保護への理解を訴えています。

ドイツでわずかながら個体数の回復が確認されたオオカミですが、銃やワナだけでなく、
道路交通事情も人間から受ける大きな危険になっているという現実があるようです。

関連ソース画像
https://i.gzn.jp/img/2017/12/30/german-wolf/00_m.jpg
https://i.gzn.jp/img/2017/12/30/german-wolf/a02_m.jpg
https://i.gzn.jp/img/2017/12/30/german-wolf/a03_m.jpg

GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20171230-german-wolf/