防衛大学校情報工学科の滝田好宏教授らは、垂直離着陸可能な固定翼型ドローン(飛行ロボット)を開発した。
4枚のプロペラで垂直に離陸し、上空でプロペラの方向を変えて水平飛行できる。
固定翼から揚力を得るため、複数のローターを搭載したマルチコプターに比べてエネルギー効率が高く、長距離輸送に向いている。
また垂直離着陸できるため、滑走路が要らない。災害後の広域調査などに応用していく。

尾翼のない固定翼機の前後にプロペラを配置した。
プロペラは離着陸時には昇降方向に力を発生させ、水平飛行時には向きを変えて進行方向に力を発生させる。

前方のプロペラは、機体中心の上側、後方のプロペラは機体中心の下側にそれぞれ配置した。
離着陸時に前後のプロペラが上下にずれていても機体が安定する制御プログラムを開発した。
水平飛行用にプロペラの向きを変えた後は推進力の軸が一致する。

水平飛行の揚力は、固定翼から得られるため、プロペラは空気抵抗で減速する分を補うだけですむ。
マルチコプターに比べ、長い距離を飛行できる。離着陸用の滑走路が不要になるため、固定翼機に比べて現場で展開しやすい。
反面、ホバリング時は突風の影響を受けやすくなる。

災害後の広域調査などでの応用を提案していく。

駐車場程度のスペースで離着陸できるため、現場に駆け付けて広い範囲を撮影する用途などが向いているという。

関連動画
https://youtu.be/Ao1BdGn1s5I

画像:災害後の広域調査などに応用する(防衛大提供)
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