11月28日 13時10分News Up
「“卵子の老化”ってよく聞くけど、男性は何歳でも大丈夫でしょ」
そう考えている人は大きな間違いです。
「射精ができるかぎり子どもは作れる」
そんな考えが大事な人を傷つけているかもしれません。
まだ、あまり知られていない精子の現実です。
〈精子は新鮮だから大丈夫?〉
50代や60代の男性、特に芸能人など名前が知られた人に子どもができたとなると、
まるで武勇伝のように聞いてしまい、男性は何歳になっても大丈夫なんだ、と思う人もいるのではないでしょうか。
精子は、毎日新しく作られる。だから新鮮と言えば新鮮です。
女性の場合は生まれた時に持っている卵子が、増えることはなく、
年を重ねるとともに老化したり数が減ったりするのと大きく違います。
しかし今、男性は年をとっても大丈夫という考えが誤っていることがわかってきています。
〈男35歳、精子の分かれ道〉
男性不妊の専門、獨協医科大学埼玉医療センターの岡田弘医師によると男性は2つのタイプに分かれるそうです。
「35歳を分岐点として“精子力”(=妊娠させる力)が落ちるグループと、落ちないグループです」
その根拠となるのは、子どもがいる男性と不妊に悩むカップルの男性、合わせておよそ150人を対象に行った調査です。
全員、精子の量や運動量を調べる通常の精液検査では「正常範囲」と言われていました。
そこで調べたのが精子力。
精子は卵子と受精したあと、受精卵の分割を進めるためのスイッチを入れます。
その変化を起こす力=精子力があるかどうかを精子とマウスの卵子と受精させて調べたのです。
スイッチを入れる力が高い位置で推移しているのが子どもがいる男性たち。
不妊カップルの男性陣は、35歳頃から明らかに落ちています。
「検査で精子の量や運動量も大丈夫と言われた」
それでも妊娠させる力が弱くなっている可能性があるのです。
なぜ精子力が低下するのか、原因はまだ研究中ですが、岡田医師は精子をつくる細胞が老化しているのではないかと考えています。
「通常の検査で大丈夫だったので妻が原因だと思っていた」
「妻に体の負担ばかりではなく心の負担もかけていて申し訳なかった」
そんな声が男性たちから聞かれたそうです。
岡田医師は不妊治療の意識を変えてほしいと話しています。
「不妊の問題は、どうしても女性側に原因があると捉えられがちです。
治療を女性任せにしてしまう男性も少なくありません。最初から、自分にも原因があるかもしれないと思うことが治療のスタートです
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関連ソース画像
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171128/K10011237491_1711281046_1711281048_01_05.jpg
NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171128/k10011237491000.html