カブトムシの角は、幼虫にあるしぼんだ袋のような組織が、さなぎになる時に膨らんでできることが分かったと、
名古屋大などの研究グループが英科学誌に発表した。クワガタムシやセミなど多くの昆虫の外骨格も、同じパターンで作られる可能性があるという。


 カブトムシの幼虫の頭には、角に成長する前の「角原基」(縦横、厚さ各約1センチ)という、
袋状のしわの多い組織が畳まれていることが分かっていた。だが、それがどのように角の形に伸びるかは謎だった。

 後藤寛貴・名古屋大特任助教(進化発生学)らは、幼虫の体液を角原基に注入してみると、簡単に角の形に膨らんだ。
実際の変態でも、同様の現象が起こっているとみられ、角の形成は細胞の増殖によるものではないことが分かった。
さらに、角原基をコンピューターグラフィックスで再現。しわを広げたところ、角の形に展開したという。

 脚など他の部位も基になる組織が折り畳まれており、角と同じ膨らみ方をすると考えられる。
後藤さんは「単純な物理的プロセスで角ができている。硬い外骨格を持つ生物で一般的な現象かもしれない」と話している。


名古屋大学研究成果詳細
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20171027_agr_1.pdf

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20171102/k00/00e/040/213000c