ジカウイルスで悪性脳腫瘍に対抗、マウス実験で効果 米研究
2017年9月6日 10:13 発信地:マイアミ/米国

【9月6日 AFP】発育中の胎児の脳に重大な影響を与える恐れのあるジカウイルスは、その細胞破壊能力を成人の難治性脳腫瘍と闘うために利用できる可能性があるとする研究論文が5日、発表された。
 
蚊が媒介するジカウイルスは、最も一般的な脳腫瘍の神経膠腫(こうしゅ、グリオーマ)に関与する細胞を破壊する能力を持つことが、先行研究で明らかになっていた。
 
グリオーマは、米国で年間1万2000人が発症する。米共和党のジョン・マケイン(John McCain)上院議員も最近、この病気と診断された。
 
標準的な治療法は化学療法と放射線療法だが、大半の患者の生存期間は発症後2年に及ばない。
 
今回の最新実験で示されたジカウイルスの明確な効果のカギは、化学療法を切り抜けて生き残り、拡散する脳腫瘍幹細胞を、ジカウイルスが特異的に標的とすることだ。
 
妊婦がジカウイルスに感染すると、その胎児は頭部が小さくなる先天性異常を発症するリスクが高まる。小頭症として知られる不可逆的な症状は、ジカウイルスがまさにこの種の細胞を攻撃しているために起きる。
 
ジカウイルスは、神経前駆細胞を攻撃する傾向がある。神経前駆細胞は胎児の脳内には多く存在するが、成人の脳にはほとんどみられない。
 
論文の共同執筆者で、米ワシントン大学医学部(Washington University School of Medicine)のマイケル・ダイアモンド(Michael Diamond)教授(医学)は「現行の治療法に対して抵抗性を示し、患者に死をもたらすグリオーマを、ジカウイルスが殺傷する可能性があることが今回の研究で示された」と話す。
--- 引用ここまで 全文は引用元参照 ---

▽引用元:AFPBBNews 2017年9月6日 10:13
http://www.afpbb.com/articles/-/3141865

蚊。ジカウイルスの媒介者として知られる(2016年10月30日撮影、資料写真)。(c)AFP/YE AUNG THU
http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/2/5/320x280/img_25b3693f3ba3996410ac184273a09ed8123809.jpg