2017年08月20日 06時00分
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メキシコ沖の太平洋に今年5月に現れたカルマン渦(Suomi NPP - VIIRS)

 不思議な渦巻きがいくつも連なる不思議な雲…。これは米海洋大気庁(NOAA)の地球観測衛星が各地でとらえた「カルマン渦」という気象現象だ。

 1点目と2点目の画像は今年5月24日、メキシコ沖の太平洋に浮かぶグアダルーペ島を取り囲むように出現したもの。米国カリフォルニア州との国境近くに位置するこの島は、別名「シャークアイランド」と呼ばれるホホジロザメの聖域。

 バハ・カリフォルニア自治大学の気象学者カルロス・トーレス氏によると、山の上空に雲が発生したときに、一定方向で風が吹くと、雲が山頂に巻き込まれたようになって渦が発生する仕組みで、渦のパターンや方向は、風の強さによって季節ごとに変化するという。

 3点目に紹介する画像は、南米大陸と南アフリカに挟まれた南大西洋に浮かぶ火山島トリスタンダクーニャ島で、今年6月25日にランドサット衛星がとらえたもの。こちらは縦に割ったマッシュルームの切り口が仲良く並んでいるように見える。

 カルマン渦は、ハンガリーの流体力学者セオドア・フォン・カルマンの名前にちなんでつけられたもので、日本でも冬になると屋久島や済州島の風下で見られることがある。

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上の写真を広げてみたもの。地球観測衛星スオミNPPが今年5月24日に撮影した(Suomi NPP - VIIRS)
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南大西洋の火山島の周囲で今年6月25日に観測されたカルマン渦(Landsat 8 - OLI/NASA)

http://sp.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/1/21549.html