紀伊半島南部に桜の新種か 森林総合研究所調査

  紀伊半島南部でヤマザクラと混同されていた早咲きできれいな桜が、新たな「サクラ」であることが、
森林総合研究所多摩森林科学園(東京都八王子市)サクラ保全担当チーム長の勝木俊雄さん(49)の調査で分かった。
勝木さんは「クマノザクラ(仮称)」と命名して学会誌に発表するとともに新しい種か変種かを調べる。
和歌山県林業試験場(上富田町)も調査に協力しており、優良木を探している。

 勝木さんによると、数年前のヤマザクラの遺伝的変異調査で、紀伊半島南部の標本の中に明らかにヤマザクラと違う桜があるのに気付いたという。
2016年春、三重県林業研究所の協力で調査を進めている際、那智勝浦町でその桜を見つけた。研究所から連絡を受けた県林業試験場が県内での調査に協力し、古座川町で20本の調査木を設定して客観的な相違データを集めた。

 ヤマザクラとの違いは、開花時期が早い(3月上旬〜下旬)▽花の色がヤマザクラの純白に対してピンク色系が多い
▽葉が出るのが遅く、開花期にまったく出ていない場合もある▽葉は小さいが鋸歯(きょし)が粗い
▽咲き始めは花柄(かへい)が短く、垂れずに咲くような印象を受ける―などがある。
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