結局、本当の意味で自己愛者の世界に「他者」は存在していないのです。存在しているのは「特別な自分」という存在だけ。他者と人間関係を持つにしても、自らの自尊心を支えるため人を利用しているに過ぎません。必要としているのは自分の無価値観を克服してくれる、処理してくれるという利益をもたらしてくれる関係性であり、底には穴が空いているので満たされることはありません。刹那の自惚れを求めて、ひたすら「自己の存在を肯定するための材料」を、他者から摂取し続けます。神経症的競争をし続け、自分の存在価値の証明を病的に追い求め続ける障害、それが自己愛性人格障害です。