次世代の携帯電話の通信方式、「５Ｇ」の実用化を２０２０年に控え、広島県福山市
で、景観に配慮した基地局を設置する実証実験が、ことしの１０月から始まることに
なりました。
実験が行われるのは、歴史的な景観が残り、アニメーション監督の宮崎駿さんが
「崖の上のポニョ」の構想を練った場所としても知られる福山市の鞆の浦です。
５Ｇは、今の通信方式に比べて電波が飛ぶ範囲が狭く、数百メートルおきに電波を
飛ばす基地局を設置する必要があるため、観光地などの景観にいかに配慮するかが
課題となっています。
このため、ジェトロ＝日本貿易振興機構の呼びかけで、福山市やＫＤＤＩ、それに
外資系の機器メーカーなどが景観に配慮した基地局を共同で設置し、ことし１０月
から５Ｇの実用化に向けた実験を始めることになりました。
街路灯のポールにアンテナなど基地局の機器を組み込み、目立たないデザインに
するということです。
５Ｇは、現在主流の携帯電話の通信方式よりも速度が１０倍速いうえ、人が密集する
地域でも速度が落ちず、２０２０年の実用化を目指しています。
福山市経済環境局の久保正敬観光課長は「福山を代表する観光地で実証実験を行う
ことで、福山を中心に５Ｇが発展して欲しい」と話しています。
